文部省に対する会計検査院決算検査報告(平成元年度)

    

都道府県の財政援助団体等監査で指摘の多い事項のひとつが「補助金算定の基礎的数値の誤り」があります。この都道府県の事例は補助金を受ける学校側の提出書類での「誤り」なのですが、都道府県側で「誤り」が発生した事例もあります。

経常費補助金は国から都道府県を通じて各学校法人に交付されているため、会計検査院が国の補助金執行について検査します。ちょっと古いですが、会計検査院『平成元年度決算検査報告』に文部省「私立高等学校等経常費助成費補助金」に関する定員内実員算定誤りについての報告が掲載されています。

 

【不当事項の報告内容】

県名:沖縄県

補助事業:私立高等学校等経常費補助金

事業主体:沖縄県

補助対象事業費:1,056,756千円

補助対象事業費に対する国庫補助金:183,154千円

不当と認められる補助対象事業費:2,806千円

不当と認められる国庫補助金:2,806千円

摘要:補助金の過大交付

 

 この事業は、平成元年度の補助事業として、沖縄県が、県内の私立の中学校、高等学校等の教育に係る経常的経費を補助したものである。そして、国は、同県に対して当該事業費の一部を補助するため国庫補助金を交付している。この補助金の交付額は、私立の中学校、高等学校等の区分ごとに次の算式により算定した額を合計したものとなっている。

『生徒等1人当たりの国庫補助単価×各学校の定員内実員(学則で定められた収容定員と当該年度の5月1日現在の生徒等の実員のうちいずれか少ない数をいう。)の合計』

上記の算式において、中学校、高等学校等の収容定員は、入学時に定められたもので算定することとされている。
しかし、沖縄県では、平成元年度の補助金の交付を受けるに当たり、私立の中学校4校のうち2校の収容定員について、入学時に定められたものではなく、誤って変更後の学則で定められたものにより算定していた。そして、これに基づいて中学校4校の定員内実員を1,183人と算定していた。そこで、上記により適正な収容定員を算出し、これを基にして上記中学校4校の定員内実員を算定すると1,085人となる。
したがって、この1,085人により算定すると、適正な補助金は180,348,000円となり、2,806,000円が過大に交付されていた。

 

    
サブコンテンツ

このページの先頭へ