資金収支計算書(学生生徒等納付金収入)2/2

    

はじめに

この記事は資金収支計算書(学生生徒等納付金収入)1/2の続きの記事です。
上記記事をあわせて読むことにより理解が深まります。

本編

5)高等学校就学支援金の取扱い

①高等学校等就学支援金の会計処理
就学支援金を収納した場合の仕訳は次のようになる。
【月次で授業料収入を収納している学校法人が、授業料から就学支援金相当額を差し引いた額をあらかじめ生徒から収納し、かつ、就学支援金を都道府県から受け入れた場合】

○ 就学支援金3 月分が、都道府県から学校法人に入金されたとき
就学支援金3 月分全額について、「預り金」で処理
(借方)支払資金   (貸方)預り金受入収入

○ 授業料の納付期限が到来したとき
生徒からの入金分を「授業料」で処理し、就学支援金について「預り金」で処理したうち1 月分を「授業料」に振り替え
(借方)支払資金    (貸方)授業料収入 注(1)
    預り金支払支出       授業料収入 注(2)

注(1) 授業料から就学支援金相当額を差し引いて生徒から収納した額
注(2) 就学支援金について「預り金」で処理したうち1 月分の額

【月次で授業料収入を収納している学校法人が、就学支援金を都道府県から受け入れる前に、生徒から授業料全額をあらかじめ収納する場合】

○ 生徒から授業料全額を収納したとき
(借方)支払資金 (貸方)授業料収入

○ 就学支援金3 月分が都道府県から学校法人に入金されたとき
就学支援金3 月分全額について「預り金」で処理し、就学支援金について「預り金」で処理したうち生徒への返還相当額を「支払資金」に振り替え
(借方)支払資金     (貸方)預り金受入収入
(借方)預り金支払支出  (貸方)支払資金

②「高校生等奨学給付金」
平成26年度から「高校生等奨学給付金」制度が開始されている。この制度は、市町村民税所得割額が非課税である世帯を対象に、授業料以外の教育費を支援するための制度であり、保護者が居住する都道府県において手続きを必要とする。
各都道府県において制度の詳細は異なっている。例えば、東京都においては、「私立高等学校等奨学給付金」として保護者に直接給付するため、学校において特段の会計処理は必要ない。
他の自治体においては学校を経由して給付される場合もあるため、その処理については当該自治体の指示によることになる。

③学校独自の奨学金との関係
法令上、就学支援金は、生徒に授業料負担額が発生している場合に、その負担額に応じて支給されることとされている。学校独自の減免制度によって授業料負担額が発生しないケースでは、就学支援金は支給されない。
また、半額のみを免除している場合には、授業料負担額が発生しており、その負担額の範囲内で就学支援金が支給される。

(参考:文部科学省「高等学校等就学支援金事務処理要領(新制度)第2版」「高校生等奨学給付金リーフレット」)


6)教員免許状更新講習にかかる収入と支出

この講習は、正規の教育カリキュラム外に設けられたもの

⇒収入「(大科目)事業収入」のうち、適当な小科目(「免許状更新講習料収入」等)

⇒講習にかかる支出
その内容が大学・短期大学による教育研究活動からもたらされる最新の知識技能の習得であることから、「(大科目)教育研究経費支出」として処理しても差し支えない

(月報私学第133号 経営実務Q&A)

    
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